中途入社 3人のトークです

トップとボトム
両者の間に自ら飛び込む
トップとボトム
両者の間に自ら飛び込む

「兵庫ネクストファーム」農場長

北田 敏明

31歳。入社6年目。愛媛大学農学部水資源システム工学専攻卒業後、五洋建設に入社してダムや道路建設の現場監督として働く。2020年にサラダボウル入社。2024年から農場長に。

「みちのく白河農園」農場長

林 健太郎

36歳。入社4年目。福島大学経済経営学部卒業後、農業法人、住宅メーカーを経て2022年にサラダボウル入社。「アグリサイト」農場長代行職を経て2025年から「みちのく白河農園」農場長に。

「南アルプス農園・武川農場」農場長代行職

富永 雄斗

31歳。入社5年目。兵庫県立大学経営学部卒業後、三井住友銀行法人営業部に勤務。2020年にサラダボウルに入社し、「南アルプス農園・武川農場」の農場長代行職に。

「知ってる農業とは違った」

ーー3人は中途入社で入って、現在4年目から6年目ですね。以前はどんな仕事をしていて、なぜサラダボウルに入社を決めたんですか?

大学で農業サークルに入っていて、農業のクリエイティブなところに興味を持ったんです。でも就職する時に農業をしている人に「一度は農業以外の会社で世間を知った方がいい」と言われたのもあって、新卒で大手ゼネコンに入りました。3年半たって「やりたいことをやろう」と出かけた就活フェアで出会ったのがサラダボウルです。農業には我慢のイメージがあったんですけど、サラダボウルの圃場は楽な姿勢で作業できる設計になっていたり重い物は牽引車で運んだり、自分が経験した農業とはまるで違っていました。色々なライフステージの人が働き続けられる、いい会社だなと思って入社を決めました。

僕は新卒で別の農業法人に就職したんです。サラダボウルは当時から業界で注目の存在で、テレビでも紹介されていたので、参考にしていました。例えば製造業の現場でよく聞く「5S活動」を農業に取り入れるアイディアも斬新で、実際にやってみると一つの変化が色々な改善につながっていくことを実感したりして。ある程度やり切ったタイミングで別業界に転職したんですが、農業のおもしろさが忘れられなくて、サラダボウルなら新しいことができると思って入社しました。

僕は元々農業とは無縁で、経営学部を出て都市銀行に入りました。「まずは3年続けよう」と働いて、銀行ではお客様を支援する仕事をしてきたけど、自分も0から1をつくる側に回りたいなと。製造業を調べたんですがピンとこなくて、そんな時に農業の本を読んだんです。それまでは衰退産業のイメージだったんですけど、農業でも儲けられると書かれた本をいくつか読んで、未来ある産業だなと思ったのがきっかけですね。中でも従来の農業から一番変わろうとしているのがサラダボウルだと思ったのが、選んだ理由です。

「柔軟」も「ルール」もどっちも大事にする会社

ーー入社して感じたギャップはありますか?

「会社っぽい」という理由でサラダボウルを選んだんですが、思っていたより会社っぽくないと思いましたね。若い人たちも楽しそうに働いて、意見も言う。組織から「これをやりなさい」と指示されると思っていましたが、そうではなく、現場では一人ひとりが役割を見出して試行錯誤しながらやっているんです。それがいいか悪いかは意見が分かれると思うんですけど。

良い面、悪い面もありますよね。 一人ひとりが自由に農業に向き合うのにも楽しさがあります。だけど、全員の知識や経験が完璧ではない中で、それぞれ自由に動くと全体を見る視点がおろそかになって、大きな圃場を整えることができない。 会社としては一番良いやり方を標準ルールに改変していくことを目指していて、僕は前職で社内規定を扱っていたので、ルール改定が習慣になっているかもしれないですね。

うちの農場にも来てほしい……(笑)

でも「ルールを定める=型にはまる」と捉える若手が多いのが、サラダボウルの特徴だと思うんですよ。「自由なのが農業の楽しさじゃん」みたいな。なのでルールのレベルを上げた時に「柔軟に」許容値を広くとることも必要だと思っています。

僕はギャップはあまり感じなかったです。でも、ギャップではないけれど、担当や仕事の入れ替わりが多いというのは感じました。今は農場が1年に3カ所増えたり事業展開がすごく早いから当然ではあるんですけど、技術の積み重ねをもっと意識しなきゃと思います。 まだ、5年目の僕が農場長を任されていて、チャレンジできる環境ではあるので、いい面もあるんですが。

僕も入社前は、上のポジションに行くまで何年もかかると思ってたんですよ。でも100人いる農場を入社たった2年、しかも農業を勉強していないペーペーの自分が動かしていると気づいた時、僕はすごく楽しいと感じましたね。それはいいギャップだったかな。なので若手の人にも、自分たちの仕事が農場全体に影響を与えているし、与えないといけないんだよと伝えています。

もう一つ感じていることがあって、経営の意図や方針がスタッフに伝わっていない時があることです。忙しいから話す機会がなくて、経営と現場がすれ違う時があるんですよね。これは僕らがもっと頑張らないとと思っている部分で、農場長になってから、伝えられる情報はなるべく全員に伝えるようにしています。

一人ひとりの能力を引き出さないと
何万本もあるトマトは管理できない

ーー好きな仕事、あるいは苦手な仕事を教えてください。

僕はカイゼン(改善)が好きです。考えてうまくいくとすごく楽しい。前年の結果を踏まえて改善するんですが、良かれと思ってしたことが悪い結果になることもあって。でも経験を積み重ねるしかないと思いますね。

仕事場に感情は持ち込まないのがポリシーなので、好きも嫌いもない、やるべきことをやるというスタイルです(笑)前職がマネジメントの仕事だったので、感情は仕事の邪魔をすると経験してきたからですかね。そのぶん、こうした変化が激しい会社でもメンタルも体調も一定に保てるのは向いている部分かな。逆に、人前でしゃべるのは好きじゃないかもしれないっすね。

得意そうですけど(笑)。

(笑) 元々1人の時間が好きで、人と関わりたくない。でも仕事で人と話すことはめちゃめちゃ多いです。例えば70人ぐらいいる農場のスタッフに、毎日「調子どう?」って聞く。声かけが大事だと思ってますね。個々のバランスを整えてあげないと最大値は出せないという考えで、一人ひとりの心理状況を頭に入れて話しかけて回っています。

それができる人、なかなかいないです。

一人ひとりと接していかないと、何万本のトマトを管理するなんてできないって思うんですよね。

林さんと真逆なんですけど(笑) 僕は人と関わりながら仕事するのが好きです。特に収穫のようなイベントや変化のタイミングで、みんな一緒に「やっていこう!」って団結する時が一番好きですね。例えば草刈りでも協力して「もっとこうした方がいいよね」ってブラッシュアップしながら取り組んで、やり終えると風景が変わって成果が目に見える。それがすごい好きですね。

トップとボトムの間に自ら入る

ーー仕事で大事にしていることを教えてください。

自分が納得できるかを大事にしています。じゃないと他のメンバーに仕事を任せる時も説得力がない。結果に責任を持てると腹落ちすると思うんですね。言われたからこうしました、結果ダメでした、だと人のせいにしてしまうし。

情報をつなぐことが自分の仕事かなって思います。部署ごとに違う現場の考え方を全部集めて会社の理念に沿っているか判定して、情報をフィードバックする役割を担いたいですね。トップとボトムの間に自ら入っていって、みんなが動きやすく摩擦が起きないようにする。それが僕はストレスなくできちゃう方なので。

すげー。

(笑)

僕は「自分の責任」という思いでやり切ることを大事にしています。同時に、今の実力でやり切ってダメだったら仕方ないと割り切る。それから、もう一つ大事にしているのは、定期的に自分を振り返ることです。サラダボウルでは「内省」というんですけど、足りていないことが分かったら改善して現場で実際にやってみて、経験や知恵を少しずつ蓄積する。悪い部分も受け入れて、自己受容した上での他者受容をすることを意識しています。

北田さんは真面目なんすよ。

超真面目。

農業へのこだわりは必要か?

ーーサラダボウルのカルチャーについて教えてください。

どんな人も「そこにいてOK」、今いる人がどうやったら活躍できるか考えるのが特長だと思います。人を標準化するのではなく、採用してからその人に最適なポジションを考える。

僕も同じことを思いました。このポジションならその人を生かせるって役割を決めたり、その人に合った農場に配属したりしますね。

意見が一致しましたね(笑)。

事業展開がチームの成長速度より早いから、新規農場の立ち上げでメンバーが1人2人抜けると一気に景色が変わるんです。ここで頑張れるかどうか、一人ひとりに何かしらの譲れない価値観がないと難しいと思います。自分自身に頑張る意味がないと難しい。その一つが農業へのこだわり、なのかな。

確かに。でも僕の場合、農業へのこだわりは割と少ないと思います。けど、例えば自分は0から1をつくるとか、成果が目に見えることにやりがいを感じるんです。だから必ずしもアンカーが「ザ・農業」じゃなくていいのかなと。社内にも現場担当だけじゃなく人事や営業の人もいるわけですし、他の農業法人に比べて農業につながる道筋は多いと感じますね。ただ実際には、農業好き、作業大好きってスタッフが圧倒的に多いです。北田さんなんてずっとトマト見てますから。

(笑)

ーーどんな人がサラダボウルに向いていると思いますか?

変化やチャンスを楽しめる、受け入れられる人。事業の変化はもちろん、気候条件や市況も関わりますから。事業展開が速いぶん自分の業務範囲を広げられて、キャリアアップのチャンスもあります。

言い方が難しいですけど「文句言い」というか、現状を変えたいと思える人がいいのかな。農業は外部環境の変化もあるし、既存のものにすがっているだけじゃ衰退するから、「もっとこうしたい」と思える人、そこにモチベーションがつながる人が向いているのかなって思う。

僕は自分が大事にしている自責思考とか最後までやり切ろうとするとか、人からの指摘を素直に受け取るとか。そういった人は伸びるので来てほしいです。後は、社内バーベキューを仕切ってくれる人。

確かに来てほしい(笑)

今までそういうイベントをしてこなかったんですけど、普段関わらない社内の人と接することも大事だと思って。せっかく食べ物をつくっているんだから、バーベキューがいいなあって(笑)。

僕はアホな人に来てほしい(笑)。バーベキューよりちょっと上位の、お祭り男みたいな。サラダボウルの人たちってわりとおとなしいんですよ。でも話し出すと止まらない。それを引き出す側の人がいれば色んなアイディアも出てくると思うんです。